水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻り」

神奈川芸術劇場 ホール
16:00

  • 『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻り』/元は3月に公演予定だったものが震災で中止となり、仕切り直しの数ステージ。美術家の杉本博司が構成・演出・美術を担当。場を示す最低限の物以外を排し、ほぼ素舞台。手摺も存在せず、遣い手の足下まで見える。
  • 二次元的な左-右の空間にもう一本、手前-奥の線が加わる。KAATホールの広い奥行きを最奥まで使った三次元空間。しかし動きは自由気ままではない。移動範囲は限られて、ちょうど十字の形のように。左、右。手前、奥。統制の美しさ。
  • 去年観たSePT&テアトル・コンプリシテの『春琴』のような、明と暗を追求した繊細な照明。簡潔な装置、黒い床と相まって、人形たちそのものが際立つ。闇に身を潜める徳兵衛。仄かな光に浮かび上がるお初。静かな輝きの下で息絶える二人。