水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

2011-01-01から1年間の記事一覧

第三舞台「深呼吸する惑星」

紀伊國屋ホール 19:00 第三舞台『深呼吸する惑星』/初めて観たのは、近所の大学で劇研が上演していた『天使は瞳を閉じて』。それと前後して『朝日のような夕日をつれて』を戯曲で。数年前、同作舞台中継の再放送をTVで。私は第三舞台と、そのたった三点でし…

柿喰う客「悩殺ハムレット」

シアタートラム 14:00 柿喰う客『悩殺ハムレット』/女体シェイクスピアシリーズ第一弾(予定)。オール女優のハムレット。舞台からはみ出る溢れ出るこぼれる女優愛。チョイ役でさえも濃ゆい芝居、そして痺れるビジュアル。90分間のイケメン女優祭。 大胆に…

「杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻り」

神奈川芸術劇場 ホール 16:00 『杉本文楽 木偶坊 入情 曾根崎心中 付り観音廻り』/元は3月に公演予定だったものが震災で中止となり、仕切り直しの数ステージ。美術家の杉本博司が構成・演出・美術を担当。場を示す最低限の物以外を排し、ほぼ素舞台。手摺も…

華のん企画「冬物語」

渋谷区文化総合センター さくらホール 14:00 『冬物語』終幕の出来事を、かつて私は極めて現実的に考えていた。けれど最近、あれはほんとうに、現実を超えた出来事が起きたのだと捉えても良いのではと思うようになった。真っ白な奇跡を前に、リオンティーズ…

「僕の時間の深呼吸」

青山円形劇場 19:00 『僕の時間の深呼吸』/再演というより、再現、に思えた。大部分。キャストは全く違うのに、幾人かは驚くほど似た台詞回しをする。欠けた、熱量と身を切る寂しさ。それでもこのテキストが特異に輝き、高泉淳子の「山田のぼる」が必要不可…

芸劇eyes「20年安泰。」

水天宮ピット 17:00(観劇直後のツイート) 刺激的な芝居に立て続けに出会えると嬉しい。 あと、靴に防水スプレーかけておいて正解であった。 いきなりこぼれ話。右斜め前に、二つ結びの小学生くらいの女の子が座っていて、某団体の〇〇なパフォーマンスがそ…

「ベッジ・パードン」

世田谷パブリックシアター 13:00(観劇直後のツイート) 三軒茶屋を発つ。今年の三谷幸喜は、隅から隅まで挑戦的。興奮。 (その後のツイート) 『ベッジ・パードン』/時間差観劇録。日本人が西洋人を演じるというフィクションを、真正面からやったのが前回…

「モリー・スウィーニー」

世田谷パブリックシアター 13:00(観劇直後のツイート) 『モリー・スウィーニー』勢い任せにフライング一言。あとでまたきちんと書きます。 ライス医師の訛りを、文字では表せない、「いわゆる訛り」でもない「話し方」で表現する方法に目からウロコ。翻訳…

「幽霊たち」

パルコ劇場 14:00 パルコ・プロデュース『幽霊たち』/人のような、影のような、無機質でおぼろげな輪郭が舞台を行き来する。それらは不意に誰かになり、気がつくとまた消え失せ、いたのか、いないのか、もう分からない。色のない世界に、いくつかある色彩。…

扉座「アトムへの伝言」

紀伊國屋ホール 19:00 扉座『アトムへの伝言』/チラシに書かれている言葉は「SN」すなわち「サイエンス人情物」。そんな言葉に偽り皆無、がっちりサイエンス、こってり人情物。科学研究所にヒューマノイド、健康ランドに演歌に漫才、まるきり違う二つの世界…

キャラメルボックス「ヒア・カムズ・ザ・サン」

サンシャイン劇場 19:00 キャラメルボックス『ヒア・カムズ・ザ・サン』/ハーフタイムシアター二本立ての一本。こちらは新作。見えてしまう男と、見えること/知ること。いつもの明るさの向こうに、確実に高まってきている苦み。解決しない物語と、その上で…

キャラメルボックス「賢治島探検記」

サンシャイン劇場 14:00 キャラメルボックス『賢治島探検記』/いま、真摯に「物語る」ということ。路上でできる演劇というコンセプトで出発したこの作品は、俳優と少しの(日常的な)道具だけでどこででも上演できる作り。宮沢賢治の言葉を地の文も含めそのま…

キャラメルボックス「水平線の歩き方」

サンシャイン劇場 18:00 キャラメルボックス『水平線の歩き方』/広い空間にポツリと置かれた、この劇団にしては妙に具象的な「部屋」は、それ自体が一つの仕掛け。時空間を飛ばすいつもの手法も、違う意味合いを帯びている。若くはない一人の男の、小さな追…

「NOISES OFF」

あうるすぽっと 13:00 あうるすぽっとタイアップ公演シリーズ『NOISES OFF』/一幕目のテンポが妙に遅いのがつくづく残念ながらも、休憩挟んでからはいい勢い。凄まじいト書き量だという「オモテ」と「ウラ」の同時進行、絡み合いもつれあい大騒ぎなのです。…

ままごと「わが星」

三鷹市芸術文化センター 星のホール 19:30 何が驚いたって、共有ロビーに置いてある「カンフェティ」全て、『わが星』のページに付箋が貼ってあること。きっと一冊一冊、手作業で。なんと細やか。 叩きのめされたような、という表現でいいのだろうか。とても…

キャラメルボックス「夏への扉」

ル・テアトル銀座 19:00(震災直後の中止になったステージの振替として、本来の楽日より後に追加されたステージでした) 『夏への扉』入場。薄明かりのロビーに、出演していないキャストがずらり。あたたかい。 開演前、前説に立った製作総指揮は言った。「…

「国民の映画」

パルコ劇場 14:00(観劇直後のツイート) 今日は珍しく、家族と観るためにチケットを取った日だった。父はつい数日前、宮城から帰ってきたばかりだった。父も、母も、私も、迷ってそして、行くことを決めた。 開演前、三谷幸喜が挨拶をした。今、上演するこ…

東京シェイクスピア・カンパニー「ハムレット」

シアターイワト 15:00 東京シェイクスピア・カンパニー『ハムレット』/ハムレットが、ひとり、ふたり。分裂し入れ替わり台詞を分担するハムレットたち。「対外的な」彼と「本心の」彼で分かれているように見えたが、あるいは別の意図があるかもしれない。 …

Arts Fusion in KANAGAWA Part.2「リボンの騎士 鷲尾高校演劇部奮闘記」

神奈川県立青少年センターホール 14:00 『リボンの騎士 鷲尾高校演劇部奮闘記』/作・演出は横内謙介、出演はオーディションで選ばれた10代〜20代くらいの面々+扉座。オーディションメンツは演技経験があったりなかったり。手塚治虫の『リボンの騎士』が大好…

Rimini Protokoll「ブラック・タイ」

神奈川芸術劇場 大スタジオ 18:00 「世界の小劇場vol.1 ドイツ編」Rimini Protokoll『ブラック・タイ』/韓国で生まれ、ドイツ人家族に引き取られ育った女性。彼女の、彼女自身によるドキュメンタリー。道具は僅か、マイク、PCに繋がったスクリーン、それを…

andcompany&Co.「道化の霊廟」

神奈川芸術劇場 中スタジオ 15:00 「世界の小劇場Vol.1 ドイツ編」andcompany&Co.『道化の霊廟』真っ赤に輝く星の下、水晶の柩に眠るレーニンを背に、顔写真お面の革命家たち、タマゴ人間、ミッキー的な鼻と耳の人などなど。「彼女はミッキー・マウスを見た…

She She Pop「遺言/誓約」

神奈川芸術劇場 中スタジオ 18:00 「世界の小劇場Vol.1 ドイツ編」She She Pop『遺言/誓約』/出演者はShe She Popのメンバーと、彼らの父。定年退職済、演劇経験なしの。『リア王』の朗読と交互に発表される、老いた父と子供たちそれぞれの意見。同居、財…

「チェーホフ?!」

東京芸術劇場 小ホール 14:00 『チェーホフ?!』/チェーホフに極限まで寄り添おうとした結果、思いがけず普遍的な世界があらわれたような印象。色とりどりの空間、奇妙に誇張された人々の体、切れ切れの言葉、論理脈絡の通じない出来事、まるで、こどもの目…

「金閣寺」

神奈川芸術劇場 ホール 19:00 『金閣寺』/目まぐるしいフラッシュバックのように、溝口という男の半生が舞台の上に明滅する。光と映像と身体表現が積み上げる、記憶の空間。小野寺修二の振付は、ヒトとモノの境目さえも曖昧になる。 異形の人の姿をし、耳を…

むーとぴあ「く・ち・づ・け」

駅前劇場 14:00 むーとぴあ『く・ち・づ・け』/小さな駅前劇場にすっぽり収まる、賑やかで暖かな喜劇。武藤晃子がとてつもなくキュートな時点でもう8割方OKな感あり。作・演出はわかぎゑふ、淡々と描く昭和初期の空気、むかしの大人の可愛らしさ微笑ましさ…

チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」

神奈川芸術劇場 大スタジオ 19:30 チェルフィッチュ『ゾウガメのソニックライフ』/観ながら、自分の身体を妙に意識した。隣や前後の観客の動きも。終演後も。バラバラでダラダラな言葉と身体。その上、言葉はそれなりに無表情で、身体は割と意味を放棄して…

Theatre劇団子「もう一つのシアター!」

紀伊國屋ホール 19:00 Theatre劇団子『もう一つのシアター!』/有川浩が劇団子をモデルにして書いた小説『シアター!』を当の劇団子が舞台化。その経緯自体が入れ子構造のようで面白い。登場人物そのままにオリジナルストーリー、時系列では『シアター!2…

「大人は、かく戦えり」

新国立劇場 小劇場 14:00 シス・カンパニー『大人は、かく戦えり』穏やか、誠実、丁寧、友好的。そんな凪いだ海のようなオトナとオトナの話し合いも、ハタから見れば行き違いと隠したホンネと「イラッ」だの「カチン」だのが積み重なる不穏な現場であります…

新派「日本橋」

三越劇場 11:00 新派『日本橋』はじめての新派。台詞が速すぎず遅すぎず、的確な間でかちりかちりと決めてくる。隙のない所作。品の良いエンタメ精神。そして何より、どこか安心するようなその空気感。明治の壮士芝居から数えて123年、劇団新派から数えても6…

「ろくでなし啄木」

東京芸術劇場中ホール 19:00 『ろくでなし啄木』遠く過ぎ去るあの一日、思い出の中のあの一夜。なのになぜだか思い返すと、どこかになにかが引っかかる。推理モノ好きは構成が分かった時点でもうワクワクしそうな。芥川の某作品を思わせるミステリアスな雰囲…