andcompany&Co.「道化の霊廟」
神奈川芸術劇場 中スタジオ
15:00
- 「世界の小劇場Vol.1 ドイツ編」andcompany&Co.『道化の霊廟』真っ赤に輝く星の下、水晶の柩に眠るレーニンを背に、顔写真お面の革命家たち、タマゴ人間、ミッキー的な鼻と耳の人などなど。「彼女はミッキー・マウスを見たことがありませんでした」
- わたしが意識を持ったとき、すでに「革命」というやつはどこか彼方のもので、けれど社会のあちこちに「それ」の残した強烈な痕が食い込んでいるのは否が応にも目に入った。「それ」に未だ立ち向かい/飲み込まれ/批判し/目を輝かせ/逃れようもなく/続ける人々は、現在進行形だ。
- どうしてもわたしには遠いその世界に、andcompany&Co.は向き合う。向き合わざるを得ないところに彼らはいる。彼らの現実から余りに乖離した自分に、その知識の乏しさに、わたしは消沈する。それでもパフォーマンスはポップでキッチュで刺激的で、消沈しながら興奮する。
- 白と黒の鋭角的セット、キノコ、歌、巨大な目玉、かちりかちりとリズミカルに引っ張られる電球のスイッチ。「目を閉じていれば生きるのは簡単だ、全てを見間違えれば。」 こういうステージが成り立ち、若い観客が押し寄せるドイツという国を思う。演劇の持ちうる幅を思う。豊かだ。