「大人は、かく戦えり」

新国立劇場 小劇場
14:00

• シス・カンパニー『大人は、かく戦えり』穏やか、誠実、丁寧、友好的。そんな凪いだ海のようなオトナとオトナの話し合いも、ハタから見れば行き違いと隠したホンネと「イラッ」だの「カチン」だのが積み重なる不穏な現場であります。痛々しいほどリアル、なのに爆笑。

• 気づけば対話は戦争へとスライド移動、攻撃のために振り上げた拳は関係ない人にヒットし、敵は加勢、味方は離反、次の瞬間には四面楚歌だったり、目まぐるしい攻守交替。手も出るよ(激しく)。息つく間もない、オトナ×４による駄目すぎる争い。

• 一瞬の間のズレでピント外れになりかねない前半、一歩間違えれば単なるドタバタになりそうな後半、しかし今回のキャストと演出家ならば危なげなんてどこへやら。巧さを意識させないうまさでお腹いっぱいです。大竹しのぶ一人勝ち、にさせない三人がまた凄いエネルギーで。

• 翻訳物だというのを忘れるほど耳にすんなり入ってくる言葉だなあと思ったら、翻訳が徐賀世子。『2人の夫とわたしの事情』のときにも同じ感想を抱いたのでした。上演台本を読んでみたい。

• ずぶ濡れ携帯に黙々とドライヤーをかけるミシェル（段田安則）に腹筋痛くなるほど笑う。ちょっと手持ち無沙汰そうなところとか。段田さん、目が泳ぎ気味の役がなんであんなにハマるのだろうか。