水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

Theatre劇団子「もう一つのシアター!」

紀伊國屋ホール
19:00

  • Theatre劇団子『もう一つのシアター!』/有川浩が劇団子をモデルにして書いた小説『シアター!』を当の劇団子が舞台化。その経緯自体が入れ子構造のようで面白い。登場人物そのままにオリジナルストーリー、時系列では『シアター!2』のちょっと前の出来事。
  • 物販の缶バッヂやDVD、声優「千歳」役は沢城みゆき、とモデルならではの『シアター!』とのシンクロをしつつ、そんな事情を知らなくとも楽しめそうな。シアターフラッグのメンバーは劇団員で固め、「他者」である司は客演の阿部丈二てなキャスティングにもニヤリ。
  • 演劇で食べていくことの難しさ。経済活動として成り立たないシステム。有川浩が執筆した脚本は、芝居をやる人、みる人、皆が分かっているこのことを、まさにその芝居というカタチで、直球すぎるほど直球で突く。小説『シアター!』で貫かれている姿勢そのままに熱く。
  • 原作の基本設定をどどっとナレーションで示すのは既読者でないと少々分かりづらいかなとも思いつつ、基本はじめて観る人でも入りやすい明るさとキャラのハマり具合が素敵。もう少し短いとよりスッキリかも。客演の大和田伸也と阿部丈二が流石の説得力で持っていきます。
  • 原作小説が好きな方が、今回初めて演劇を観たと感想を書いているのをあちこちで拝見。そして見つかる、演劇ってこんなに面白かったんだ、という声。原作や、なにか他からの糸口がある公演でなによりも嬉しいのは、じつはこういうことで。ようこそ。ようこそ、劇場へ。
  • アベジョー氏の2.25〜2.75枚目くらいを行き来する技能が大変好きである。ぶっちぎり3枚目ももちろん大好きだけれども。動きや分かりやすい感情表現がほとんどない役のぶん、声の表情がこまやかで、良いなあ。