水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「幽霊たち」

パルコ劇場
14:00

  • パルコ・プロデュース『幽霊たち』/人のような、影のような、無機質でおぼろげな輪郭が舞台を行き来する。それらは不意に誰かになり、気がつくとまた消え失せ、いたのか、いないのか、もう分からない。色のない世界に、いくつかある色彩。白、黒、茶、橙、それから青。
  • ポール・オースターの乾いた、不確かな、一人称の世界。舞台化と聞いたとき、一体どうするのか見当もつかなかった。そうして観劇に臨むと、あの現実的でありながらどこか浮遊するような、寄る辺ないような感覚は確かに、舞台の上に漂っていた。
  • 舞台全体の美しさが鮮烈な作品だと思うのだけれど、今回かなり前の席で観劇し、目前の佐々木蔵之介=ブルーの存在が音を立ててぶつかってくるような思い。身震いするような集中力をまとう佐々木蔵之介/ブルーの書き、思考し、追い詰められる姿が圧力を持って迫り、呑み込まれる。