「ガラスの動物園」

シアターコクーン
13:30

• シス・カンパニープロデュース『ガラスの動物園』／例えるなら、バットとテニスラケットとゴルフクラブとサッカーボールでもって謎の競技をしているような。何故、４人の芝居の方向性をこれほど違うままにしたのか。ただただ、居心地が悪い。しかも、それが効果的でない。

• 端正な、抑えめの芝居の瑛太。現実から一歩はみ出したような、幻想的な深津絵里。地に足のつきまくった芝居の立石涼子。どこまでも軽く、脱力した鈴木浩介。それぞれのパワーはあるのに、あまりのスタイルの違いに、内容以前のところですれ違い、ドラマが立ち上がってこない印象。

• 俳優陣の不可解な散漫さに、長塚演出ってこんなだっけと首を傾げる。個人的には「異能」と言いたくなるような存在感の深津絵里のスタイルが好みなのだけれど。『ガラスの動物園』という内容をあまり味わえなかった感。徐賀世子による新訳はほどよく砕けた日本語で耳に入りやすい。