2012-04-21 柿喰う客「絶頂マクベス」 柿喰う客 シェイクスピア シアタートラム 14:00 柿喰う客『絶頂マクベス』/マクベス史上初(かどうかは不明)の、丁寧語執事眼鏡系マクベス。妻とともに使用人の服をまとった彼の姿は、ビジュアルだけに留まらない「労働者マクベス」。鬱屈した彼が抱くものは野心というより、哀れな現状脱出願望のようにも見えて。 エロティックなショーの体裁で歌う魔女たちに、そういえば古今東西、節回しの付いた言葉は「呪文」だよなと妙に納得。呪文に魅せられ殺しに殺した、とてもそんな器じゃないちいさな男はそして、光の中、生者も死者も入り乱れた大合唱に、いっそ荘厳な華やかさに包まれて絶望する。 女体シェイクスピアシリーズは『悩殺ハムレット』に続き二度目。わざと崩された台詞群は、前回は「崩す」ことをマジメに頑張りすぎて逆に苦しそうと思ってしまったのだけれど、今回は力が抜けた感触で聞きやすく。ところで七味まゆみ(一の魔女)、ビジュアルがフランク・フルター。