水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

ナイロン100℃「百年の秘密」

本多劇場
13:00

  • ナイロン100℃『百年の秘密』/鬱蒼とした森の奥で、木々の僅かな隙間から覗き込むような、ある人々の人生。覗き込む度に変わる風景。前後する時間。彼らの「転機」は木の向こうに隠れている。それらはいつも過ぎ去ってしまっているか、あるいは予感されるだけ。
  • 普通の物語のように見たら、彼女たちは不幸だったのかもしれない。けれど、彼女たちにしか分からない大事な時間、彼女たちにしか分からない秘密の会話にそっと寄り添わせて貰ったあと、明るくなった客席に座りながら、人が人を幸福だとか不幸だとか、どうして言えるだろうと思うのだ。
  • 数世代に渡る物語を繋ぐものは、人が背中に負い続ける荷物としての記憶。容易く遠ざかるくせに、くくりつけた紐は身体に食い込んでいる。例えば、老いたポニーが泣き崩れるとき。彼女の人生は殆ど観客に知らされない。それなのに、食い込んだ痛みに顔を覆った。空白の効果と、美しさ。