「巨大なるブッツバッハ村 -ある永続のコロニー-」

東京芸術劇場中ホール
19:00

• F/T10 マルターラー演出『巨大なるブッツバッハ村』。なんかもう、駄目ーな感じのコミュニティ(だったもの、多分)。お金も物ももう彼らのものではなく、多分もう戻ってこない。駄目すぎて、もうコミュニケーションすらうまくいかない。時々シンクロ。でもうまくいかない。倦怠。開き直り？

• なんだか繋がったような感じになるのは、音、でハーモニーが奏でられたとき。トランペットはうまく吹けないし、音を出す道具はたいてい間違っているし、だいいち長続きしないけれど。戻ってこないどん詰まりで、彼らはうたう。屋内のような屋外のような不安な場所で。

• 何故か思い出したのは、ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』に出てくる「もと帝王たちの都」。持っていた何もかもを無くした「王」たちが行き着く、自分たちでは何一つ生み出せなくなってしまった街。不連続、断絶、みんながみんな一人ぼっちの街。

• その場所は凄まじく滑稽で、物悲しく、今が住む場所のすぐ隣にある過去。棄てられた過去。しかし今も継続中。ただひたすら、うたが響く。

• と、語ろうとするとどうにも短くまとめられない。もうわけわからん、という意見が当然出るだろうし、わけわからん、が面白いか面白くないかでも意見が分かれそう。あまり思索せず感覚的に観て、思い浮かんだままにツイートしてみた次第です。