「ジャンヌ・ダルク」
赤坂ACTシアター
19:00
- 赤坂ACTシアター『ジャンヌ・ダルク』スペクタクル、という言葉は知っていた。大劇場や広い野外空間でそれが実現するのも知っていた。が、いつの間にやら、心のどこかで「エンゲキではそんなものは観られない」と無意識に決めてかかってしまっていたのだ。その思い込み、今や粉々。
- 冷静に考えれば明らかにこちら(観客)の方が人数が多いのに、向こうがその何倍もいるような錯覚に陥る。席間隔が狭めでただでさえ密集した雰囲気のあるACTの客席が、これ以上ない密度にまで高まって、時々「観ている」というより「巻き込まれている」という感覚になる。
- 美しさと迫力と機能性を兼ね備えた美術も、圧巻。『ガラスの葉』『サンタクロースが歌ってくれた』そしてこれと、最近高確率で松井るみ美術を観ているのだけれど、もうどこがどう動いても驚かない（笑）あのプランを具現化した技術にも職人技を感じて、平伏の思いです。
- 舞台は初の堀北真希、評判が良いのを聞いていましたが、なるほど。この壮大な舞台にしっくりはまる、力強く豊かな色合いの声。動きが少し硬かったり、力が入るあまり首や肩が前に出てしまったりはあるのだけれど、そういったことがあまり気にならない。華奢で、凛として、透き通って。
