劇作家協会公開講座「SHINSAI Theatres for Japan in Tokyo」
座・高円寺2
第一部/15:00
第二部/18:00
- 今年の3月11日、ニューヨークの演劇人たちが企画した、日本と日本の演劇人の為のリーディング公演。それをほぼそのままの形で紹介した今公演は、自他の立ち位置、必然的な距離感、日本演劇は何をなせるか等々、まだ答のない問いを抱えきれない程抱いていて、それ故に意義深かった。
- それでいて、ひとつのエンターテイメントとしての側面も自然に。キャスト・スタッフもひっそり豪華、本邦初演作もちらほら。鴻上尚史や坂手洋二や鈴木聡によるリーディングやら、平田オリザ作/谷賢一演出、坂手洋二作/前川知大演出などのタッグも。
- 中でも、『さようならII』『あの頃の私たちの話』『一時帰宅』『指』『はっさく』『日本流エチケットの手引き』『ふるさとを捨てる』『海の風景』『血の問題』あたりが印象に残っ…多いわ!
- 正直に書けば、ピンと来なかったものもあったし、感覚の差を前に忌避したくなったものもあった。それでも、あちらこちらから語ること、おずおずとでも語り表そうと試みること、試みて良いのか迷うことさえ、全てひっくるめて板に乗せようとした今回の企画は、意味があったと思える。
(後日のツイート)
- 『SHINSAI』を観てから一番考えたことは、距離感だった。アメリカと日本の距離。「被災」した人と「被災」しなかった人の距離。海岸近くにいた人と、内陸にいた人の距離。近いから良い、遠いから悪いなどでは決してない。ただ、それぞれの立つ距離と、真摯に向き合わねばならない、と思う。
- 距離を見つめる、ということは、分からないことを認める、ということでもあるかもしれない。見、聞き、想像し、話し、しかし互いに「分かること」と「どうしても分からないこと」を抱えている、それを心に留めながら、なおも見、聞き、想像し、話し続ける。