水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「帰郷 -The Homecoming-」

シアター風姿花伝
13:00

  • 初めてのピンター。この「いやあな感じ」。男ばかりの、ある家族。ひずんだまま放置される意思疎通。言葉の後ろにはいつも空白がつきまとう。その空白の空間に伸びる、伺う、一方向の視線。視線。視線。
  • 美術。客席に入ったとたん目に入るのは、足元から奥の壁へと伸びるT字型の舞台。奥の壁いちめんに「その家」が詰め込まれている。積み上げられ、恐らくは動かされることなどほとんどなかっただろう物たち。堆積し、淀んだ時間。
  • 理不尽な流れも「彼らの中では」繋がっているらしいと、沈黙や視線の中に濃く示し続ける、キャスト全員の揺るぎない力強さ。ごく丁寧な態度で「分かんなくてもいいですよさあ付いて来いよコラ」と腕を掴まれ引っ張られ続けるような、強烈な2時間だった。
  • ダメだ。自分で何書いてるか分からん。言葉を散々こねくりまわして結局なんだか全然分からなくなることほど情けないものはない。おもしろかったんですよう。
  • そうだ、戯曲を確認していないので戯曲指定か演出か分かっていないのだけれど一応メモ。椅子の数。あの家に住んでいる人数より、なぜか一脚足りない椅子。常に誰かが立たされ、少しでも空けばそこに別の誰かが座る。延々と続く不安定なパワーゲーム。