水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「かもめ」

シアターコクーン
13:00

  • あんまり上出来でない人々のオモシロ悲しさ。人の話は良くて半分くらいしか聞いてないし、思い込み激しいし、気のきいたことをやろうとすれば滑るし。そういったことが伝わるかどうかの大半は多分、ちょっとした間合い、ちょっとした抑揚の精度にかかっている。
  • ケラさんの演出を観るといつもびりびりと感じる、耳の精密さというか、舞台に響く「音色」と「そのテンポ」への鋭さ。常に適切な音色が、適切な間でもって聞こえてくるあの感じ。チェーホフの台詞と、ほんとうに相性が良いのではないかと思った。そうして、それが実現できるキャスト。
  • 演技スタイルが大きく異なる俳優陣が共存していても違和感なく観られる不思議なバランスの良さ。観た回だと、序盤の「笑えるけど笑っていいのかな」という空気を小野武彦が打ち破っていたのも印象的だったり。居眠り→物を落とす→その音で目覚めて拍手、の一連の流れが絶妙でありました。
  • 贅沢を言うならもっと小さな空間で観てみたかった気もするけれど、それでもはじめて生で観た『かもめ』がこのバージョンで、きっと良かったのだろうなあ。これからケラリーノ・サンドロヴィッチ演出で『三人姉妹』『桜の園』『ワーニャ伯父さん』も観られるというのが楽しみでたまらない。