水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

メイシアタープロデュース「グッド・バイ」

2014.3.7

15:00

吹田市文化会館 メイシアター・小ホール

 

・感想をこねくりまわしていたもののまとまらず今は時間切れで悔しい。ひとつ、岡田あがさの、顔をくしゃくしゃにして泣いたように笑う顔は、なんて激烈に澄み渡っているんだろう。グチャグチャの生の果ての、崖っぷちの、震える光のような笑顔。燃え尽きる寸前の隕石のうつくしさ。

 

・作・演出は「悪い芝居」の山崎彬。太宰治の絶筆『グッド・バイ』の舞台化…と思いきや。舞台を真横一文字に切り裂く穴または川。その周りで、田島周二と女たちの物語は「先生」と女たちの物語とめまぐるしく入れ替わりまた戻り。

・田島周二、太宰治。そして永井キヌ子。ながくいきぬこう。作家の皮は剥かれ、やがて物語られる津島修治の姿。中盤、永井キヌ子であった女優が、舞台の真ん中にあぐらをかき、化粧を落とす光景が忘れられない。裸体のようだった。あらわれたのは、痛々しく弱い、剥き身の男だった。

・上演時間は約3時間。たしかに面白かったとはいえ盛り込み過ぎ削り損ねの感。特に終盤、盛り上がりに盛り上がってしかし!終わりません!という流れが3回ほど繰り返され、すっかり観終わる気で使い果たした集中力をむりやり再充電、というのを幾度も強いられくたびれ。

・男だか女だかもうどっちでもいい(と見る側が思わざるをえない)/人間的にどうしようもない/酔ってる/の三点が役柄的に課された岡田あがさはクレイジーパワー全方位照射状態。酔っぱらい芝居、新手のゆるキャラみたいになってました。かわいいけどとてもめんどくさい系ゆるキャラ