「デスノート THE MUSICAL」
2015.4.27.
12:30
・何年も前に原作第一部を途中まで読んだきりという半端知識状態での観劇。原作の、互いに互いの広げる網の目をかい潜るような頭脳戦・心理戦はごく簡潔に切り詰め、情緒的な部分をダイナミックに。その仕方が潔く、旋律で綴るひとつの悲劇を立ち上げていた。
・その情緒面を大きく打ち出すにあたりクローズアップされているのは海砂とレム。レムは原作より女性性が強めかも。論理の届かないところから、決して届くことのない焦がれる思いに灼かれる二人。とりわけレム、濱田めぐみの圧倒的な強さ細やかさを持つ声のちから。殉教者のようだった。
・反面、そんな方向性によりちょっと割を食った感のあるのはL。終盤、もう一捻りくらいあればキャラ的に救われた感。とはいえLのLたるかたちを再現した上であの歌唱には全く推奨されない姿勢で複雑な旋律を歌いあげる小池徹平には目玉吹っ飛ぶしかなかった。テニスもしていた。
・月は、頭脳に恵まれた、けれど「ノートを拾わなければ普通の高校生だったはずの男」の面が強く。リュークは自由奔放ネタ担当にして「始まりにして終わり」の者、この二つが両立できる、両立するがゆえに意味がある人物造形もとい死神造形。凄惨なるトリックスター。吉田鋼太郎様大爆発。
・レム、綺麗だった…綺麗だった…(思い出し涙目) そして吉田鋼太郎様が柿澤さんにアドリブらしきものを振られて執拗に反撃していた…(思い出し笑い)
・面白かったのは、ワイルドホーン&ジャック・マーフィー&アイヴァン・メンチェルによる音楽・歌詞・脚本なので(翻訳/訳詞は徐賀世子/高橋亜子)翻訳の過程がありつつ日本語による初演という状況なこと。制作過程が気になる。