「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
2015.5.12.
19:00
OFF OFFシアター
・文学座・浅野雅博&石橋徹郎による下北のOFF OFFを一ヶ月借りて何かやろうよ企画ふたたび。少年二人の夏の日の『モジョ ミキボー』世界から、男二名のいつどこともしれない「ハムレット」のみじめな隅っこワールドへ。
・わけもわからず「いる」ことになった状況の中で右往左往する辺りはかの『ゴドー』のディディとゴゴを思わせるけれど、永遠に時間の断層を漂いかねない彼らとロズギルとの違いは、確定された死。誰もが知る、知らなくてもタイトルで一目瞭然の、終わり。
・チープなつくりもの感を全面に押し出した美術(ど真ん中の裸電球が目に残った)、粛々と進んでしまう運命としての書き割りめいた映像たち。この流れでいくなら「座長」の言葉は生で聞きたかった気もする。薄気味悪い造形がインパクト大だっただけに。
・ボケ寄りのロズ、ツッコミ寄りのギルに演者二人がうまくはまる。過去も未来も、ロズなのかギルなのかも曖昧、滑稽で寂しくて会話は噛み合わなくてでも互いに互いしかよすがのない、コインの面ばかり見る羽目になる彼らは、案外隣にいるし、案外自分だ。
・「ローゼンクランツとギルデンスターン」という響きが音としても字面としても妙に好き。エンデの「ニーゼルプリームとナーゼルキュス」も同じような感覚で好き。