水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

世田谷パブリックシアター+KERA・MAP #007「キネマと恋人」(2019)

WOWOW放送版を録画視聴。

2019.6.19 世田谷パブリックシアター公演の収録映像

 

・録ってあった『キネマと恋人』再演版を見終えた。ああ生で観たかったな、と思う。よかった。フィクションに小さく大きく救われながら、続いてしまう人生を生きるすべての人へ。ケラさん演出はいつも、声も音も光も適度にスピーディーかつ精密なリズムで心地よい。OP何度でも見返したい。

緒川たまきはほんとに素敵だ。少しぼんやりしたハルコさんがぴったりで。映画の話になると途端にきらきら輝く目、頬、声の美しさ。きっと一度も出したことのないだろう大きな声をあげて電二郎に「いやーっ」と逆らうシーン、ミチルと身を寄せ合って話すシーンで少し泣きそうに。

・人工的な命がその生まれゆえに否応なしにイノセントである(あってしまう)可笑しさや悲しさが描かれるさまに本当に弱いんだけど、寅蔵がまさにそのかたちのキャラクターでたまらなかった。B級娯楽映画のコミックリリーフ、朗らかで明るくて、映画の中にないことはなんにも知らない銀幕の幻。