水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

劇場の灯を消すな!Bunkamuraシアターコクーン編 松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭

2020.7.5

21:00

WOWOWステージ

 

松尾スズキの発生させる茶番感、居心地の悪さ、気恥ずかしさ。そこからちょっと漏れ出てくる、真っ直ぐで”ベタ”な力への憧憬と祈り。

・「ゾンビ vs マクベス夫人」の情報量の多さよ。己の小賢しい脳が見てる途中なのにちょっとそれっぽい感想を組み立て始めていたところにアレよ。

・前半の『キレイ』ラッシュ、「ここにいないあなたが好き」オリジナルキャストコンビでちょいとやられてしまい…歌詞が初演版でしたね…?

・アクリル剣劇でちょっとどうかと思うくらい笑ってしまってなんでしょうこの感情は。敗北感?

・『泥と雪』お恥ずかしながらまったく予備知識がなかったので、キャスティング豪華だな、書簡体の朗読よいものですね、と聞き入っていてものの見事にズタズタになった。なり申した。この人選でこそのこの作品。軽く検索かけたら同じく知らずにズタズタになったご同志と知っていて待ち構えていた先達がいらしてこの…この…なんてものを選んで…。

 

・感染防止対策で一人残らずアクリル板に囲まれて、展示物のように立つ出演者たち。滑稽なような悲しいような、でも普段われわれが舞台を”鑑賞”する様って一面ではこういうところあるよねと思ったりもして。アクリル版で接触を断たれて、更にはテレビの画面でもう一回断たれて、互いに幻想の手を延ばす。

 ・アクリル演劇祭、オープニングもエンディングも松尾スズキ本人が担うのを見て、松尾さんもこういうとき敢えてベタベタな形で「責任」を負いにいくタイプなんだなと改めて思う。一見ふざけたような、その実はたったひとり身ひとつで矢面に飛び出していくやり方。震災直後の公演での三谷幸喜を思い出す。

・「怒ってもいいけど、生きてはいさせてよって思うよ」