水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

華のん企画「リチャード三世」

あうるすぽっと
13:30

  • 華のん企画『リチャード三世』/リチャードは幾度も、「醜い左手」をぎゅうと抱きしめる。彼のただひとつの拠り所、ただひとりのともだち。子どものためのシェイクスピア・シリーズ。柔らかい手触りと抑制の利いた演技のなかに浮かぶ混沌の歴史、ひとりの昏い目の男。
  • 冒頭に『ヘンリー六世 第三部』の一部分を挿入し『リチャード三世』の前提となる人間関係を把握してから物語に入れる仕組み。人々の共通点を炙り出す一人複数役。何より、お馴染みの人形を「一人」であり「彼ら」であり「それ」とする演出はここでしか出来ず、ここでこそ効果的。
  • もう一度、リチャードの行動原理のことを考える。逆らってやる、叩き潰してやる、何もかもをおれのもとに敗北させてやる。かれの心にあるのは、ただただそれだけなのかもしれない。すらりとした長身に紅い衣を翻らせた山崎リチャードの姿に、思う。