水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

キャラメルボックス「広くてすてきな宇宙じゃないか」

サンシャイン劇場
14:00(River)
15:30(Forest)
19:00(Slope)

  • キャラメルボックス『広くてすてきな宇宙じゃないか』/サポーターズクラブ結成20周年を記念し、ハーフタイムシアター(約1時間の作品)の代表作を3パターンのキャストで一挙上演というお祭り企画。総勢30名のキャストが入れ替わり立ち代わり一日最大4公演ということで、もう大騒ぎ。
  • 3チーム全部観るという暴挙に出た結果、まずRiverチーム。ジブリ映画に出てきそうなおっとりとした柿本光介@岡田達也、しかしネタは結構なギリギリ感で面白いけどアリなのか。カシオ@多田直人のフラットな語りが新しく心地よい。
  • 初演-再々演までクリコ役の石川寛美、五演目にして初のおばあちゃん。飄々として、子供たちにどこか対等でいるような。スギエ@温井摩耶が、クリコに目が行きがちな構成の中、救われるべき子供「たち」の姿を鮮烈にみせた。
  • 続いてForestチーム。オリジナルキャスト、大森美紀子のおばあちゃん。果てのない「救い」と「赦し」のちから。台本でも演出でも「救い」の明確でない、闇の中ひっそりと立ち上がるヒジカタに、彼女だけは優しく微笑みかけていた。
  • 柿本@西川浩幸は病の跡がはっきり見えるも、決め所の台詞はひとことも外さず、鬼気迫るような芝居を。脚本に(恐らく無意識に)あらわれた彼独特の頑なさ視野の狭さをもそのまま体現してなお納得させる、ベテランの威力。
  • そしてSlopeチーム。観終わった後、ちょと放心。キャスト全体の際立ったバランスの良さ、人物ひとりひとりの適切な立ち具合。作品のもつ可能性を、予想外の位置からひからせたような色合い。確かな新『広くて』のように思えた。
  • 予想外の最大要因、坂口理恵による(お)ばあちゃん。外見のモデルに(多分)なっているメアリー・ポピンズを彷彿とさせる謹厳な教育者としての側面に、愛嬌たっぷりでしかも思い切った張り切りが混ざった、新鮮な人物像。
  • ヒジカタ@大内厚雄とおばあちゃんとの最後のやりとりは、人間のしあわせを問うていると同時に、アンドロイドとして使命を負ったふたりの、己の職業人としての誇りを賭けた闘いでもあることが、初めて明白に見えた気がする。
  • おまけ。酔っぱらいシーンなど理不尽なギャグに定評のある柿本パパですが、友人の意見など合わせた結果、R 岡田柿本:地球人、F 西川柿本:宇宙と交信できる地球人、S 阿部柿本:ガラパゴス諸島、ということでひとつ。なんのこっちゃ。