オックスフォード大学演劇協会「ロミオとジュリエット」
2015.8.22.
13:30
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
・ロミオほか数人の男性役を、女性が演ずる女性役とした上演。演出意図としては、戯曲で描かれる各種プレッシャーがほぼ効果を成さない現代において、新たなプレッシャーとして同性愛が取り入れられたとのこと。けれど実際のところ、性別&人称以外のテキストはまったくそのままなので、恋愛対象や結婚対象の性別はまったく問われない世界に。あ、別に男女ペアでなくてもだいたい成立するんだなあ、くらいの感覚で、かえって男女ロミジュリとの「ちがい」はあまり意識されず。
・印象的だったのはむしろ、学生ゆえごく狭い年齢幅が、今回の設定である「荒廃した近未来」の雰囲気を強化していたことだった。なにかの事情で平均寿命がひどく短くなった、力と刹那の感情のみがものをいう世界。そんな刹那の世界をさらに生き急いでしまったふたり。
・ロミオがもう直情径行とはこのこと!猪突猛進というかもうお前イコール猪!くらいの暴走型でうるさいことうるさいことしかしこのうるささが一周回ってかわいい!てな造形。バルコニーシーンでジュリエットへの想いが溢れすぎてぐすぐす泣くロミオにうっかりホロリ。