水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

劇団四季「アラジン」

2015.8.23

13:00

大同生命ミュージカルシアター 電通四季劇場[海]

 

・ジ、ジーニーは実在した。チャーミングが服を着て歩いていた。そういえばこの魔人、元から一番舞台的なキャラかもしれず。そんなジーニーのショーマンシップを作品精神の軸にもして、映画版より更にエンターテインメントに寄った豪華絢爛ミュージカル。

・もう、あれほどに豪華な衣装と装置と照明でもって歌&ダンス責めにされたら楽しさに襲い掛かられざるを得ませんて!(目と耳を奪われながら逆ギレ)どれだけあるの装置の仕掛け、どうやって飛んでるの絨毯。1作1曲あればいいようなゴージャス長尺ナンバーが3つもあるのも驚異。

・「この町のみんなはとにかく歌う。ミュージカルみたいに!」冒頭やその後にも楽しげに挟まれるメタネタは、これが物語/つくりもの/お芝居であることを示して、かれらが何よりまず「華やかで楽しいショー」を目指していることを告げる。明快で、なんだか心地よく。

・映画版から追加された台詞や人や曲、変更された展開は、アラジンとジャスミン、アラジンとジーニーが互いに補い合って前に進むさまをはっきり打ち出していて、映画では恋物語の印象が強かったのが、舞台はある意味恋の枠を超え(外れ)て、友情や絆の物語になっていたように思う。

・映画使用ナンバーのアレンジも舞台版で復活・新規製作されたナンバーも好きでサントラ買ってしまった…これはブロードウェイ版も近々買う予感…。ジャファー様の追加ナンバーがタンゴ調で若干拝みたい気分でした。イアーゴさん(発言が映画より物騒)とのコンビの静かなる漫才感。

・グッズの素敵なスノードーム(多分ブロードウェイグッズの輸入品)の中で並んでいるのがアラジン&ジャスミンかと思いきやアラジン&ジーニーで笑う。そこ推し。しかし観た後だと納得もいくそこ推し。終盤のかなり緊迫したシーンで気づいたら腕組んで踊っていてあんたら仲良しか!仲良しだ!

 ・そういえば、四季は聞き取りやすさ最優先の一音たりとも落とさない台詞回しがどうしても気になるのだけれど(アラジンでもジーニーやベテラン勢以外はその発声の癖が強かった)、しかしこの聞き取りやすさは歌ならば強いなと改めて。速くても、複数人でも、歌詞が分からないことがほぼなかった。

 

・観た回のジーニー、映画の山寺宏一吹き替えに寄せてきつつも、まずはこの舞台版で、人間が生身で演じるジーニーとして成立するように作ってある感がして良かったなあ。人で、でも、確かにジーニー。カーテンコールでは嵐のような拍手が起きていた。

 ・それにしても劇中の約6分半、約8分、約6分の豪華ナンバー3本は全てジーニーがメインボーカルなんですな…。まさに魔人。シングルキャストではないとはいえご無事でとしか言いようがない。毎回総出演のアンサンブルの方々もご無事で。