水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「ビリー・エリオット ミュージカルライブ/リトル・ダンサー」

イギリスで上演された「ビリー・エリオット」10周年記念公演(2014年9月)の映像を映画館で。夏に渡英してたまたま観ていた作品だったので、日本語字幕付きでまた見られることに喜びつつの鑑賞。

 

・ド頭からこちらを一気に引き上げてその高さのままあちらこちら息つく間もなく振り回しまくる巧さ心地よさ。音楽、振付、物語の流れ、総合した構成の隙のなさ。記録された客席、背後や横から聞こえる大歓声がまた、中継のあの日ごとあの劇場に包まれるような感覚なのでした。

・改めて観て舞台面の濃度が一番高く感じたのはやはり"solidarity"のナンバー。10分近くあるのだろうか。労働者と警官、男たちと少女たち、闘争とその外側、相反する要素てんこもりの三勢力が入り乱れた曲と振付のまあ強いことユーモラスなこと綺麗なこと。

・お父ちゃんと先生とマイケルとばあちゃんが一押し(絞れていない)お父ちゃんの吠えるような台詞回し、最初「声でかいよ!でかいよ声!」となるのだけれど、そこからだんだん漏れ出てくる機微が、ぐっと。
ばあちゃんの美脚が大画面で拝めるのはビリー・エリオットだけ。多分。

・転換が転換をあまり意識させずスマート。人の出入りに目を向けさせて物の出し入れは最小限にしたり、大きめのものは壁に組み込んだり。一番大きいビリーの家というか部屋というか、のセットが一番ダイナミックに動くのだけれど、それも良い意味で地味。でも美しい。

 

・冒頭、エルトン・ジョンの短いコメントが流れるところで、「眼鏡かっこいいな…」と眼鏡に十数秒間くらい目を奪われてちょっと聞き逃していたことを唐突に思い出した。それとは関係なく、やっぱりもう一度くらい観たし。

 

(後日の追記)

・いつまでも眺めていたい美しい瞬間。心の奥にそっとしまっておいて、これから先長い間、折にふれて取り出しては眺めたくなるだろう瞬間。そういうものの連続だった。たくさん笑いもした。『ビリー・エリオット』、生きることへの、あこがれのようなものが詰まったミュージカルだったと思う。

・そういえば観た折、カーテンコールでばあちゃんのターンになった瞬間、ただでさえ大変に沸いていた客席が「うおおおお!!!!」と当社比1.5倍くらいのテンションになっていた。「ばあちゃん結婚してくれ!!!!」くらいの勢いでした(誇張) いやしかし沸かずにおられようか。