水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

NT Live「リーマン・トリロジー」

・リーマン・トリロジー、1幕終わって休憩中。え、演劇のまさにこういうワンダーを愛しております…。三人による、三人称で描かれる時間。霧の如くにいつのまにか姿を変えるセット。サイモン・ラッセル・ビールを崇めたい。

 

・『リーマン・トリロジー』いいものを観た。追うのはリーマンのほんの数人の血筋、リズミカルに復唱される言葉、四角い閉鎖空間と箱と椅子とテーブル、背景、照明、ピアノの音楽、そこまで抽象化されてなお残る生々しいカネのうごめき。人から出発し、人を超え、人の手で弔われたひとつの時代。

・三人称で語りつつ一人称としても振る舞うスタイル、作品の叙事詩的な部分にはまっていたように思う。あらゆる人々に姿を変える、リーマンの最初の三人。強いて言うなら脚本の構造+男優三名なのを踏まえても女性役が一発ネタ系に収まりがちだったのがほんとに惜しく。皆様もっとできるじゃろうて!

・サイモン・ラッセル・ビールの幼少フィリップ、ママに違うでしょと言われてのあのキューッとした顔が…あっ屈辱的な思いをしたプライドの高い子供!屈辱的な思いをしたプライドの高い子供こういう顔する!!と屈辱的な思いをしたプライドの高い子供に詳しくもないのに確信が襲ってきて大変だった。

・俳優の実ビジュアルと役柄のイメージがかけ離れているほど(子供の役とか)逆に見立てで「そういうこと」として了解しやすく力技でどうにかなっちゃう面てあると思うんですが、サイモン・ラッセル・ビールはパッと見で力技かと思わせておいて微に入り細に入りの技術で打ち倒してくる。崇めたい。

 

・開演前の解説で、光の点滅があること、銃声が鳴ることがアナウンスされていた。所謂ネタバレとの兼ね合いの話にもなるだろうけれど、必要なことだと思う。

サム・メンデス良いな…と『1917』が俄然気になってきた。思えば、震えるほどよいと思ったNT Live『リア王』もサム・メンデス演出だったのだった。