水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

新国立劇場「トゥーランドット【新制作】」(2019)

新国立劇場の配信企画「巣ごもりシアター」サイトにて期間限定配信

 

新国立劇場、巣ごもりシアター『トゥーランドット』駆け込みも駆け込みで視聴完了。オペラ初心者でなにも知らない、でも評判いいし見てみようかな…でまさかこう泣いてしまうとは思わなかった…。三幕。三幕目。今あらすじ調べて仰天しました、ほんのいくつかの動きで物語の意味はこんなにも変わる。

・王子の求めたものはほんとうは何だったのか、リューの叫びが示した愛は誰に届いたのか、トゥーランドットの怒りと誇りはどこへ向かったのか。踏みにじられた魂。
終幕近く、リューに寄り添う王女の姿。これは恋の物語でなく、男女の愛の物語でなく。
見てよかった。アレックス・オリエ演出。

・我のワヤワヤな言語を放り出して人様の緻密な評や感想を提示しつつ友人の刺さりそうな向きに勧めまくりたいけどもう配信終わるじゃん…ほんと見るのギリギリすぎた…。

 ・本当に何も知らなかったので、かの「誰も寝てはならぬ」ってこれか!こういう流れで出てくる曲なのか!と初めて知ったのですが物語上の状況と重苦しい演出が相まって有名な曲を聞いたぞ感はどこかにすっ飛んで行きました。

 ・古典の現代的演出というもの、珍しくないけれどいまいちピンと来ないことも多々あった。
新国立のプロダクションは、台本をそのままに、ビジュアルといくつかの動きと、何より観客の「今の感性」への強い信頼でもって別の読み方を提示していて、効果も意義もとても強い。