水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「Love Never Dies」(2011)

YoutubeAndrew Lloyd Webberチャンネルにて48時間限定配信

オーストラリア・メルボルン Regent Theatre公演の収録映像

 

・Love Never Dies、2時間くらいなんだ。きちんと見られないかもなんだけど、配信終了が迫っているので音楽を聴くつもりで再生してみる。

・まだ少しなんだけど用事で休憩。こういうとき配信ありがたし。
ロイド=ウェバー印の荘厳な音楽、ダークで華やかな舞台美術、まだ冒頭なのにただよう圧倒的な二次創作感(執筆者はファントム推し)が一度に押し寄せてきて情報が多い。

・とはいえ二次創作感については、あれだけ有名な作品に時を経て続編を作ったら何であれ二次創作感は出ると思うので、そのこと自体になにか言うのもあれですな。

 

・Love Never Dies、一幕目終了。
ファントムの予感と興奮に重なるようにエレキギターが鳴り響く”The Beauty Underneath”がすごくいい。金銀に彩られた闇、結晶に閉じ込められたファンタズマの人々が蠢く美術も。
そして己はクリスティーヌに関する意見がロイドウェバー氏と合わない。そんな…昼ドラ…。

 ・なつかしい再会が決して連帯を意味しない”Dear Old Friend”も構成が好きだったな。
グスタフ(子役)にとても美しいナンバーが多く用意されているなと思ったら設定を知りさまざまな意味で納得する。

・ところで、自分が思うままに支配できる「領域」を作り、そこに集まる人々を翻弄するファントムのやり方が前作からしっかり踏襲されているあたり、好きなキャラクターを立たせるための設定は抜かりなく練っておくファンフィクションの気配を感ずる。

 

・Love Never Dies、鑑賞完了。
ファントムがあの地下室で独り眠りこんで見た甘美な悪夢、といった印象。極彩色の猥雑さと、あのオペラ座を思い出させる荘厳な美とが入り混じった空間で起こる10年越しの愛憎劇。音楽はやはり多彩で美しい。全体通しても"The Beauty Underneath"が一番好きでした。

・ひとつ直球で腹立ちポイントがあるとすれば、グスタフをテイのいい「きみの/僕の分身」として描くんじゃありません!!!!という点。ネタバレ避けて書こうとしたけど避けられてないなこれ。ファントムも脚本もどうかグスタフを舞台装置でなく人格として扱ってくだされ。

・己、オペラ座の時点から、芸術に焦がれ奉ずる心と男女の性愛とが渾然一体となっているあの感じがうまく飲み込めていなかったんだなと再認識。彼の求めた「愛」とは違う何かで、彼は救われることはできなかったんだろうかと思ってしまう。

オペラ座ではほとんど描写のなかったメグ。今回は大きな役割があって、これがもう非常に好き嫌いが分かれるやつだと思うんですが、自分は正直ちょっと…好きでした…。選ばれなかった人。いや、惨いし哀れだし終わりは投げっぱなしだしで散々なんですが、こう。

 ・「えっ…ええ…?」という展開であってもなんだか納得させられそうになるロイド=ウェバーの音楽、強い。私の考えた私が一番テンションの上がるファントムの形を見ろ、と耳にオーケストラを流し込みつつ言われる感じがしました。

 ・全体を通して面白い!またはつまらん!となる作品よりも、「好きなところはあるんだけど…うーん…」的なポジションで心に収まった作品の方が見た直後からあれこれ饒舌に書いてしまう傾向。頭の整理をしたいんだろうな…。

・と、わかった風にお喋りしつつも音楽に集中したくて字幕も出さずに見てしまったのでニュアンスが全然把握できておらず。気になったところだけでも歌詞をちゃんと読もうと思う。