「舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰」(2018)
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・刀ステ悲伝、ライビュ・配信・円盤で広く後からでもシリーズ全作を追える環境があり、観客によるネット上でのレポ・考察が充実している刀ステというコンテンツの形態にある意味非常に依存した構成になっていて、演劇の一回性の部分を重視すれば禁じ手といっていいことをしていて興味深かった。
・要は映画やドラマ、小説なら普通の続き物、シーズン最終回、伏線大回収回を演劇で、という手法。アベンジャーズ/エンドゲーム。しかもラストが大千秋楽では異なるという(本作は明治座版・大楽版の2種が映像収録)。巷の刀ステ初心者向けアドバイスでも「悲伝だけは最初に見るな」と言われていた。
・一期一会が前提の演劇の形としてアリなのかという思いと、しかし冒頭に書いたような「広く触れられる地盤がある」「Web上のレポ・考察で情報収集できる(恐らく刀ステ観客のWeb利用率は100%に近いだろう)」環境でその一期一会の”縛り”の側面が薄くなる以上、これは豊かで挑戦的な表現だという思いと。
・別に難しくもないことを仰々しく書いちゃうのやめたい。「演劇で思いっきり過去作履修前提の話やっててびっくりした」という。アーカイヴの充実だけが理由でなく、刀ステのファンコミュニティにそれを受け止める土壌があると確信してのことなのかなという気も。
・悲伝、そんな風にいろいろ考えつつも終盤の三日月さんがビジュアル・動きともに凄絶で(※ツボで)目が離せなかった。年経り老いて崩れかけたモノ。