水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

映画「幕が上がる」

・『幕が上がる』見てよかった。なんでもないところで泣きそうになってしまったのは、自分が演劇に憧れつつも結局その外側にとどまった人間だからだろうか。黒木華がいい。舞台の人。それがどこまでも行けるまばゆい力、或いは道を踏み外す悪魔的ないざないであることさえ、すべて体一つにまとう説得力。

 ・錯乱シーンというか妄想シーンというかの辺りで華々しく無駄遣いされる志賀廣太郎さま&黒木華さまに腹筋痛くなりました。存在感が画面からはみ出しそうだったし声量が明らかに映像用じゃなかったよ!!

・カメラがよく動いていたのだけれど、もう少し止まってじっくり見たかったところが多かったかな。特に舞台のシーン、ほとんどずっとカメラがスライド移動を続けるので、目を惹きつけるはずの芝居がそこにあるのに目で頑張って追う形になってしまってもどかしかった。

・沸き立ったかと思えば沈むふわふわした心、いつまでだって続けられそうなじゃれ合い、おぼつかない未来への不安、それぞれちょっとずつ距離感の違うあだ名、限りなく恋に似たなにか、どうしようもなくここにある今。部員が女の子ばかりの設定なのが、切り取られた世界の透明度を上げていた。

・作中、娘が演出をやると知った母親が「え、宮本亜門みたいな?」「蜷川幸雄?」といった感じで反応するシーンがあって、名前チョイスといい名前の出る順番といい絶妙でわわわかるー!となりました。先ほどから思いついたことを思いついたまま打ってしまってそろそろ後で読んで分からなくなるぞこれ。