水平線ログ

主にTwitterでの観劇感想ログ置き場です。ほぼ箇条書き。 ただいま抜けていた2016-2020のログを少しずつ転記中。

「ズートピア」

・これを、ディズニーが語ることの強さ。もしかしたら誰よりディズニーによって、物語られるべき物語だった。
「間違えることでやっと/分かることだってあるから」
少しずつ前に進んできた、それでもなお間違えてしまう私たちの物語。で、クライム・サスペンス、で、直球バディもの。

・あまりにも現実の写し鏡のようでギョッとするところを、しかし「動物たちが文明を持った世界」というファンタジーを精緻にコミカルに作り込むことで、あくまでエンターテインメントを保ち続ける。この強さ。魅力的な異世界であることと、私たちの話であることが誠実に並び立つ。

・ところで自分がケモナーではないという確たる自信がなくなってきました。毛並みの美しさたるや…ジュディ…ふわふわ…つやつや…。ヒトっぽくする部分と、動物としての原型や動きを残す部分のバランスが絶妙な気が。署長…署長…。

・導入部からガチガチにハイこれはこういう話でございます感を出してきてああそういう話なんですなほへーんと分かったつもりで見ていたら途中で足払いが飛んできました。すんませんでした。これ、大人だからこそ油断してしまう気がする。

・アートブック欲しいなあ。あの世界を隅々まで見てみたい。あと署長などを拝みたい。

 

ズートピア、何かを彷彿とさせるなと思っていたら『ロジャー・ラビット』だった。あの世界を突き詰めて別な方向から描きなおしたというか。

・散々に現実世界とのリンクやら何やら思わせつつ、しかし物語のキモになる部分は「あの世界」でしか成り立たない仕掛けになっているのが巧いなあと。動物たちの共存とはどういうことか。そうしてズートピアズートピアとして歩いていく。

・署長…(ツボだった)

 

・構成の巧さや、気配りの行き届きぶりに思いきり気を取られて、ちゃんと楽しむ(という言い方も変かもしれない、なんだろうこの感覚)ところまで行きそびれた感じがする。もう一度くらい見ておきたい。

・技巧を凝らして作られた工芸品に、うわあすごい技術、とばかり思って、綺麗だなあ、と思いそびれたというか。ウェルメイドなコメディのウェルメイドぶりに気を取られて笑い忘れたというか。

 ・そういえば吹き替え陣、我らが山路和弘おじさんが飛び道具だった。分かりませんて!スタッフロール見てから思い返して納得せざるを得ない!